マンC vs チェルシー 勝負を分けたDMFの脇のスペースとライン間

上位対決の注目の試合。前回の対戦では、チェルシー に軍杯が上がった。

迎えた今節。ホームチームはアウェイチームを粉砕した。

その要因を今から探っていく。

 

まずは解説するにあたり、DMFとライン間の説明。

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上半分がライン間の図

下半分がポジションの表記の図

これを知ってもらった上で、解説をしていく。

 

1. DMFの脇のスペース

 

マンCとチェルシーの大きな違いはこのDMFの脇のスペースにあった。

チェルシーはDMF(ジョルジーニョ 5番)は守備が得意な選手ではなく、

この多大なスペースをカバーすることは不可能だ。

 

一方のマンCはDMF(フェルナンジーニョ 25番)が守備も上手な選手な上に、

その脇のスペースもしっかりとケアしていた。

 

違いを観て欲しい。

まずはチェルシーから。

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DMFの脇のスペースが広大にあるのが確認できる。

 

 

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これも。

 

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これも同様だ。

チェルシーはこの状況がかなり多くあった。このスペースを使われるとCMFは後ろ向き(自分のゴール方向を向いて)守備をいなければいけなくなる。

また先程述べたDMFのジョルジーニョは守備が得意ではないので、このスペースをカバーすることが出来ない。

前からプレッシングを行うチェルシーはCMFが前へ出るので、このスペースを創ってしまう羽目になった。ましてやマンCの選手はパスとポジショニングがかなり上手いので、このスペースをここぞと言わんばかりに使っていた。

 

一方のマンC。

この流れを見て欲しい。

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スタートのポジション。しっかりとDMFの脇のスペースを埋めている。その要因が、前2枚でプレッシング(牽制)を行っているからだ。

ボールホルダー(D.ルイス)は縦にパスコースがないので、外にパスを送る。

次の局面。

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ボールホルダー(M.アロンソ)はアザールにパス。この時、SBがプレスに行く。

スペースを埋めるために、横にずれる。

そして次。

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ここでB.シルバは後ろのスペースと相手の位置を確認。自分がどの位置にいればいいのかを判断できる。そうすることで、間接的にスペースをカバー。

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②がプレスに行った事で、ホルダーは後ろ向きにドリブル。②は自分のポジションへ。

ゾーンが変わったので、すぐさまB.シルバはホルダーにプレスを開始。③のポジショニングが良いので、DMFの脇(=③の後ろ)のスペースがケアされている。

さらに次の局面。

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④(B.シルバ)はゾーンが変わったので、深追いせずに、スペースを埋めに戻る。

DMF(フェルナンジーニョ)は横にスライドをして、スペースを埋めれ、カバーできる位置にスライド。

③はボールホルダーが自分のゾーンに入って来たので、プレッシング。

①があの位置にいる事で、パスコースは後ろか大外しかなくなった。

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ボールが動いている間にポジション修正。

フェルナンジーニョとB.シルバでスペースをカバー。

そしてボールを奪う局面へ。

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中に入ってきたホルダーが後ろを向いた瞬間にプレスを開始。

ここもフェルナンジーニョとB.シルバが危険なエリアを2人でカバーしている。

 

一番はっきりとした場面を挙げたが、マンCは2人でDMFの脇のスペースをカバー。

そのために、CMF2人がプレスを行うのではなく、CFと1人のCMFで牽制をする事でこのような守り方ができた。

 

相反してチェルシーは2人のCMFがプレスに行く事で、DMFの脇に広大なスペースが出来てしまった。

ここのスペースでフリーになると、沢山の選択肢を持つことができる。

チェルシーはこのスペースでボールを持つ時間が少なく、マンCは多かった。

この差が勝負を分けた、1つ目の要因だろう。

 

2. ライン間

 

DMFの脇のスペースと似ているが、ライン間でボールを受ける回数もやはりマンCの方が多かった。

では、なぜライン間でボールをもらうといいのか。

それはライン間でボールを受けるとスペースが生まれるからだ。

 

2つ例を挙げる。まず1つ目。

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フェルナンジーニョがライン間でボールを受けにくる。

そうすると、ここで前を向かせたくないのでもちろんプレスをかけてくる。

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プレスに来ると、後ろのスペースが空く。ここでデ・ブライネはスペースを確認。

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ボールをキープし、相手を引きつけてからリターンパス。

引きつける事で、広大なスペースを創ることが出来た。

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プレスに来た選手はスペースを埋めるために後ろへ。

そうなると、もう一度パスを受けれる。尚且つ前も向けれる。

こうなると多大な選択肢を持つことが可能に。

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前を向き、もう一つ前のライン間で受ける選手が現れる。(スペース①)

この動きをすることで、スペース②が創出できる。

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ボールホルダーはスペース①へのパスコースがなくなったので、スペース②にパスを出すことを選択。

これが1人でスペースを創り出すパターン。

この動きができる選手はかなりサッカーIQが高い。観るのとプレーするとでは大きな違いだ。マンCの選手、いやグアルディオラの指導を受けると自然と身につくのだろう。

シャビやイニエスタ、チアゴフェルナンジーニョ、この4人はライン間でボールを受けることがかなり上手い。

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そしてもう1つ。3人目が関与するパターンだ。

この局面を順に見ていこう。

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ここもライン間でパスを受ける。

そして次。

 

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ボールが入ると先程と同様、プレスにくる。

DFはカバーポジションをとるために少しスライド。

そして多大なスペースが。

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ここでボールをもらうと、何でもやりたい放題。

スライドをしたので、大外にもスペースができる。

ボールホルダーは広げて、DFの目線を変えることを選択。

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これで目線を変えることに成功。

B.シルバはどフリーでボールをもらえた。

 

これが3人目が関与するパターン。

これは3人目の選手がスペースを見つけるのが上手くないと成立しないが、マンCにはこういった選手も沢山いる。

だからマンCは強いのだ。

 

この回数が多ければ多いほど、守備側は疲弊する。

チェルシーはこの場面もあまり創ることができず、マンCのブロックの外でボールを回す場面が目立っていた。

 

この2つが大きく試合の結果を分けた要因だろう。

チェルシーには不運な得点とアグエロのスーパーゴールもあったが、この結果は必然だったのかもしれない。

サッリはどうすることもできず、グアルディオラはこの後のチャンピオンリーグを見据えての選手の交代も行い、完璧すぎるリベンジをグアルディオラはできた。

こうして知将同士の一戦は幕を閉じた。

 

マンCはこの調子だと、チャンピオンリーグを制するかもしれない。

やっぱりサッカーは面白いな。

ぜひ、マンCの試合を観て欲しい。

 

今回の記事は少し長くなりましたが、

最後まで読んでいただきありがとうございます。

 

またすぐに新しい記事を書くので、ぜひまた読みに来てください。

改めてご朗読ありがとうございます。